絵羽 上がる

  1ヶ月半 掛かりきりだった 着物 も無事に 絵羽が上がった。
  “隠し技?” も随所に散りばめ、面白い上がりだと想う。
  “なかなかイイじゃん !!” と、いつもながらの自画自賛。
  後は、お客さんに観てもらって どんな反応が有るのか
  今年の 18回目の “あーとらんだむ” が楽しみ!
  

  先行して 昨年秋の CAPARISON の展示の時に創った
  ← この着物とで 今年の展示の ダブルメイン。
  たいした事が出来なかった 3・11 震災への鎮魂の祈りをこめて
   “祈り・天” “祈り・地”  といった 作品名に。
  名前負けしそうな たいそうな 作品名ってか・・・  まぁ、いいか・・・

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2012年02月27日 Posted by 染師 麗 at 21:42訪問着 “祈り・天”

掃除

  半分の “割付” の部分の下描きは どうにか終わった。
  観るもの全てが “方眼用紙の桝目” に見える・・・
  ジジィの 老眼 から 火が吹いてる・・・   そんな感じ・・・
  でも、この “追われてる感じ” って嫌いじゃない。
  なんか “生きてる” って感じで キツイけどケッコウ楽しい。

  図案も途中だけど 一段落付いたし、DM写真の撮影もあるので
  しばらく荒れ放題だった 仕事場を お掃除!
  やっぱ 物作りする人間には “掃除は基本だ!” とつくづく想う。
  (じゃ、毎日チャンとやれよ!といった声が聞こえて来そうですが・・・)
  何はともあれ、気持ちも新たに 図案の続きへと向かう。

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2012年02月26日 Posted by 染師 麗 at 23:45仕業中

割付三昧

  新図案もどうにか 文字部分 は終わり、文字の中を埋める
  文様部分へと掛かる。   文字部分の半分を “割付” で
   (青海波・麻の葉・亀甲・七宝・等といった繰り返しの柄) 
  構成しようと考え、既存の 割付柄 に少々手を加えるが・・・
  キッチリと合ってないと だんだん柄がずれて来るので
  方眼紙と格闘中!    老眼に鞭打つ日々が始まった・・・
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2012年02月22日 Posted by 染師 麗 at 22:02仕業中

転身?

  さて、着物も 湯のし へお願いして 週末には 絵羽 上がり予定。
  ← 書家に転身ってか???      うんにゃ! 次なる図案へ。
  まだ、図案の前々段階。  しかしこれで 丸一日 掛かった・・・
  想いの外 重そう・・・    やる事 山積・・・     孤軍奮闘・・・

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2012年02月20日 Posted by 染師 麗 at 09:55仕業中

後処理

  染の仕事が終わって、残るは “後処理” を残すのみ。
  ← 先ずは アイロンを使って “蝋取り”
  蝋をアイロンで溶かして、新聞紙に吸い取らせます。
  (淡い地色の場合はワラ半紙の方が安全です)
  生地を焦がさぬよう注意しながら 出来るだけ取ります。

  ← 一箇所だけ 無線 による彩色。
  蝋で伏せてあった部分の蝋を取ってからの彩色。
  蝋気が残っている為、染料が入りにくいので “浸透剤” を
  入れての彩色。  (浸透剤の入れ過ぎに注意)
  同じ “無線刺し” でも、前回 と今回では少々感じが違います。

  次に 染料を 発色・定着 させる “蒸し”
  ← 一度目の 蒸し が終わって 広げてるところ。
  簡易蒸し器 による 巻き蒸し の場合、出来たら途中で 一度
  内側と外側を反対にして (巻きを逆にして) 2度蒸しした方が
  良い結果が得られるようです。

  蒸し が終わって ドライに入れる前に 軽く “水元” に入れて
  生地に残ってる 余分な染料 を洗い落としてやります。
  この後、“ドライ” をして 蝋・ゴムのり を洗い落としてから
  最終的な 水元 をして、最後に 生地幅を整える “湯斗し” をして
  着物の形に “仮縫い”      ・・・で、無事終了!  ・・・の予定。


ここまで 付き合って読んでくれた皆様、 ども ありがと!   お蔭様で、失敗も無く 無事上がりそうです。
絵羽 (仮縫い) が上がったら また記事にアップしようと想ってます。   乞う御期待!であります。
これからまた 図案構想・図案描き に入るので、しばらく 開店休業??? といった感じです。

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2012年02月16日 Posted by 染師 麗 at 19:09訪問着 “祈り・天”

堰出し

  地色も上がり いよいよ最終工程に入る。
  今までであれば、生地表から鉛筆で アタリを残して置いたのだが
  今回は新技?を導入して、地入れを全部済ませてから 糸目にて
  生地裏に アタリ を残した。     前記事参照
  ← 生地表からは まるで分からない。

  ← 生地を裏返すと この通りハッキリとアタリが残る。
  さて、言い訳・・・   生地の表裏で色の差が随分とありますが
  これは全体に散らした 星 を白く残したかったので “裏刷毛” を
  しなかった為で、更には 生地厚 もある 紬生地なので このように
  事は予測していたのですが、裏生地が付くので今回は決行しました。

  ← 生地裏から 直接 パラフィンにて “堰出し”
  蝋の場合は 生地の裏まで抜けるので、生地裏側から仕事をしても
  特に問題は無いと思います。   (小針がやや邪魔ですが)
  毎回 “濃い地” の場合 鉛筆での アタリ がハッキリせずに、
  アタリを 起こし直し して居たのですが、仕事によっては この方法
  かなり 効果 を発揮します。   一度お試し下さい!
  生地裏まで 蝋は抜けるとは言うものの “蝋の継ぎ目” の部分は
  どうしても 少し “ボコッ” といった感じになります。    ・・・ので、
  “シビアな直線” とかいった仕事が必要な場合は 生地裏から
  光 を当ててやると アタリの糸目が 表からでも良く見えます。
  (今回の仕事の場合 はボコボコ した方が木の “質感” が出ると
   考えたので そのまま 生地裏 から仕事をしました)

さて、長かった仕事も “細工” の部分は、これにて御仕舞。  後は 後処理 を残すのみ・・・

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2012年02月15日 Posted by 染師 麗 at 21:55訪問着 “祈り・天”

地染め 2

  染料が乾いたら 次は “媒染” をする。
  木酢酸鉄 を使い 鉄媒染。 鉄媒染は見る見る色が発色してくる。
  ← 一通り 媒染が終わり 返し刷毛 & 面倒見中。
  1度目の染料を引いた後、面倒を見て 刷毛で摺り込みながら
  蝋の上 を何度もこすっている上、媒染剤の “酸” で 更に
  蝋は傷むので 2度目以降の “面倒見” は少なくて済む。

  ← 媒染が落ち着いてきて。  (未だ少々湿ってる)
  蝋の 薄い部分は 既に かなり傷んでいる。
  今回はこれで終わりだけれども 更に染める場合は 今度は
  反対に 蝋の上の染料を何かで (タオルやティッシュ等で)
  拭き取ってやらないと 染料が被り過ぎてしまうので 注意!


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2012年02月14日 Posted by 染師 麗 at 02:14訪問着 “祈り・天”

地染め 1

準備は万端整い (長い準備期間でした・・・) いよいよ メインイベント 地染め に掛かる。

  ← 先ずは 染料を 引き染
  今回の染料は、幾分 紫味を持たせた 紺地 にする為
  “ヘマチン” に “蘇芳” を混ぜた 染料を引き、 “鉄” で媒染。
  いつもなら その後に もう一色・・・ といった感じなんだけど
  今回は 2工程 で済ますつもり。  蝋も傷むし・・・

  ← 1回目の染料を 引き終わってからの 蝋の上は
  特に良く染料を はじいているので、染料を “摺り込む” ような
  感じで 円を描くように 半乾きになるまで 丁寧に 面倒を見る
  折角 時間を掛けて 蝋置きしても ここで手を抜いたら
  “良い上がり” が期待できないので 2~30分間 せっせと働く?


↓ 引き染したばかり               ↓ しばらく面倒を見て 半乾き位になって
  
起こし や 調子 といった 白蝋に地色を染みさせる様な場合、特に最初の 引き染時 の “面倒見” が
非常に大事です。   2回目以降は 蝋が傷むせいもあり、2~3回で 蝋の上の染料の粒々は消えます。


  ← 蝋がはみ出てしまった部分は 千枚通しのような
  先の尖った物で 削っておいてやると (濡れてるうちに)
  後からの “地直し” が楽になります。
  白蝋等の 柔らかい蝋の場合、これだけで上がってから
  ほとんど分からない位になるので、これも是非忘れずに!


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2012年02月13日 Posted by 染師 麗 at 23:23訪問着 “祈り・天”

白蝋置き  起こし

  ← 建物部分は 白蝋による 起こし
  オレのブログでは 頻出の技術ですが 白蝋の濃淡によって
  レリーフを付け 蝋の厚みのある部分は (写真で照りのある部分)
  染料をはじくので 地色が被らず,薄い部分には (照りの無い部分)
  染料が少し染み込むので 地色が少し被るといった技法です。
  時々頂く お便りメール??? によると、この技法は 染色教室や
学校などでは あまり推奨されてないそうです。   でも、オレは “蝋の面白さ” が良く出る技法なので
大切にしていきたいと考えております。  (ほぼ 起こしのみでやった “空へ” も良かったら観てやって下さい)

さて、起こしは順繰りに仕事をやっていくのですが、蝋の “置き忘れ” 等あったりするので 御注意!
生地を裏返して 生地裏から確認すると 置き忘れ を発見しやすいです。

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2012年02月11日 Posted by 染師 麗 at 02:11訪問着 “祈り・天”

白蝋置き  ドライヤー

“彩色” も終わり、いよいよ 蝋置き に掛かる。  今回は全部 “白蝋” での仕事。

松の葉っぱ部分 地色に “ボワ~ン” と馴染むように 白蝋を置いてから ドライヤーであぶる。

↓ 白蝋を置いたばかり             ↓ ドライヤーであぶって
  
写真ではイマイチ分かりづらいかなぁ・・・    ドライヤーの熱に溶かされて 蝋の周りが滲む。
これで 染めてから 蝋の周りが地色に 徐々に馴染んだ感じで上がります。
彩色時にも 柄の周りを 刷毛でぼかしてるので 試し染 ではなかなかイイ感じに上がっております。

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2012年02月10日 Posted by 染師 麗 at 17:47訪問着 “祈り・天”