ひまわりさんの風呂敷 3

・・・引き染・・・

白づけも終わって、いよいよ地色の染めに・・・
先ずは 染料煎じ。 
オレは基本的には 草木染め と呼ばれる天然染料を使ってるんだけど
天然染料では出せない色 (特にきれいなブルー) や、媒染材(後で説明)の関係で少し色味をつけたい時に 化学染料を使ってるんだ。
今回のひまわりさんの風呂敷では、写真の “渋木” と呼ばれる ヤマモモの木の樹皮 を使うヨ。

ひまわりさんの風呂敷 3

これをホーロー引きのずん胴で数回煎じ染液を創るんだ。
何故ホーロー引きかっちゅうと、金属そのままの鍋だとその金属分が染料と反応してしまうからなんだ。

ひまわりさんの風呂敷 3ひまわりさんの風呂敷 3

この染料を布で漉して、いよいよ引き染に・・・

“染める”って事で 皆さん先ず思うのは、染浴の中に生地を “ザブッ” と浸すと思うんだけど
オレらのやってるのは ひき染 といって、刷毛で染料を生地に染めてくやり方なんだ。
何故かっちゅうと、オレらのやってるような文様染めでは ローなどを使ってるので、染浴の中に生地を入れてしまうとローが割れて柄にヒビが入ってしまったり、生地の裏側から染料が回り込んでしまうからなんだ。
  バティックとかでは、それもまた味なんだけど・・・
また染浴で染めるにはある程度の染料の量が必要なんだけど、引き染で刷毛で染めるやり方だと量が少なくて済むんだ。

今回、風呂敷なので幅が広くていつもと感じが違うんだけど ↓大体こんな感じ。

ひまわりさんの風呂敷 3

写真では隠れてしまってるんだけど、左手にはバケツを持ってるヨ。
刷毛の染料が無くなって来たら、そのバケツの染料をまた刷毛につけて染めてくんだ。

多くの模様師さんは 引き染 は外注に出すんだけど、オレは天然染料を使う事が多いので
(天然染料で 地染 をやる 染屋さんが無いので) 自分でやっつけるんだ。
  
いつもは着物生地・帯生地がほとんどで幅が40cm以下が多く
屏風など創る時でも90cm位なので、今回のような115cm幅だと端まで手が届かず難儀しました。
  まぁ、日々経験!ってかぁ~  精進・精進!
 
  今回は、こんな感じかな・・・    引き染  でした。
                                           じゃ!



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2008年01月23日 Posted by染師 麗 at 23:00 │ひまわりさんの風呂敷

この記事へのコメント
お邪魔します♪
素晴らしいお仕事ですね。
私は、現在ドッグカフェを営んでいますが、
本来は編み物、特に手編みのものを売りたくて始めたお店です。
全然、違う方向に向かっていますが…
なので、毛糸を染めて編んでみたいと思ったこともあります。
こういった分野は一歩足を踏み入れると、奥が深そうなので
躊躇していましたが...
職人ワザの記事を楽しみにしています。
Posted by いずみいずみ at 2008年01月24日 00:37
はじめまして。 ヨロシクです。
オレらのやってる生地を染めるのは 後染め といって、糸を染めてから織ったりするのを 先染め と言います。
先染めだと、わりとムラ無くきれいに染められると思いますよ。
まぁ、1度しかやったことが無いので始めたら、それなりに難しい事もあるのでしょうが・・・
手編みのもの創っていけば、いつかはドッグ・カフェとリンクする事ができてくると思いますよ。 がんばッチくらはい!   じゃ!
Posted by 仙人 at 2008年01月24日 08:45

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