ドライ クリーニング

オレの オヤジ(大仙人様) はクリーニング屋をやってて、元々はドライクリーニングを専門でやってたんだ。
クリーニング屋さんの洗濯物の中でも 水洗物 (Yシャツとか水洗い物) と ドライ物 (背広やセーター等) が 
あって、ウチはそのドライ物だけをクリーニング屋さんから集めて ドライクリーニング中心 でやってたんだ。

オレのやってる “染” では、油性防染剤 (蝋やゴムのり) を使うので、最終的にドライの お世話になるんだ。
ウチのオヤジがドライをやっていたお陰で、オレの師匠 と オヤジが知り合い、当時 プラプラ してたオレが
この “染” の世界に入るキッカケになったんだ。   (ホント!縁は異なもの)


さて、一般の方々は ドライクリーニングといっても イマイチ良くわからないと思うので 少々御説明など・・・

ドライ クリーニング  ← ワッシャー (wosher)    洗う機械です。
  手前に見えるのが 振り切り (脱液機)
  このワッシャーの中に “ターペンタイン” という
  石油系の溶剤が入っていて、それで洗ってやるんだ。
  油系の汚れは水洗より油で洗ってやる方が良く落ちるし
  セーターや背広のようなウール物は水で洗うと
  ガサガサになってしまうけど、油なら大丈夫。

この ターペンタイン というのは 大雑把に言ってしまえば 灯油のようなもの。
そのターペンタインが機械の中を循環して 衣類などに付着してる 油系の汚れ を洗い落とし、
その落ちた汚れを フィルターで濾しとって行くって感じ。   (大雑把にはそんな感じ)

ドライ クリーニング  ← 乾燥機
  洗い終わって 絞られた衣類を コイツで乾燥させる。
  オレがガキの頃は まだ 乾燥機 など無くて
  普通の洗濯物のように屋外に乾して
  自然乾燥 させていたんだ。
  (時間がタップリあれば、それで充分だけどね)


この後、クリーニング屋さんではアイロン掛けをして仕上がるんだ。
一般的な衣料は、これでクリーニング終わり。


さて、普通 一般的な模様師さん達 は、この仕事を “外注” に出してるんだけど
オレは ウチが ドライクリーニング などしてるので、ドライも自分で やっつけるんだ。
・・・そして この後 最終的な “水元” をして、生地に付着してる 余分な染料 を水で洗い落としてやるんだ。
そして、染めた染料の他に 余分なモノが無い状態 になって “染終了!”    ハイ お・つ・か!


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2008年12月14日 Posted by染師 麗 at 13:24 │仕業中

この記事へのコメント
始めまして。さおりと申します。

ドライの件でお聞きしたいのですが、私も友禅染でゴム糊を使用しており、それを業者さんではなく、自宅でどうにか落とす技法はありますでしょうか。。

今度アメリカへ数年行くことになってしまい、業者さんへ出すことができないため自宅でできればと思っています。

米糊でもいいのですが、材料や調合等を考えると・・・。

もし何か方法があれば教えてください。
よろしくお願いいたします。
Posted by saori at 2009年09月25日 16:00
さおり さん

はじめまして。

先ず、アメリカへ行かれるそうですが アメリカでもドライクリーニングはあるので もし事情を伝える事ができれば、やって頂けるかもしれません。 挑戦してみるのも ひとつの手だとは思います・・・

自分でやろうと思う場合 一番手に入りやすい方法としては “灯油” でやるのがイイかと思います。

先ず ゴムのりの生地を灯油で浸し、ゴムのりが柔らかくなってきたら ブラシのようなもので(例えば歯ブラシとか)擦ってやります。  (たまにブラシに灯油を含ませながら)
ゴムのりが散ってきたら タップリの灯油で濯いでやって 生地の上に散ったゴムのりを洗ってやります。   その後 乾燥させてオシマイ。
幾分生地に灯油の臭いが残るかもしれませんが、よく乾燥すれば ほとんど気にならなくなると思います。

また、火気には充分気を付けてください。
濯ぎに使用した灯油は 段々ゴムのりが灯油の中に溶けていくので、何度か使用して汚れた場合、その灯油の処理をガソリンスタンドに頼むとか、敷地が広い場所であれば何かを燃やす燃料に使ってしまうとか 少々処理する(捨てる)のが面倒だと思います。

自分でやろうと思うのなら この方法が一番簡単かと思いますので お試し下さい。
また、ドライクリーニング店に相談するのも ひとつの手段だと思いますので頑張って下さい。
Posted by 染師 麗染師 麗 at 2009年09月25日 21:46
染師さんへ

さっそくのご返答ありがとうございました。
丁寧なご説明で大変助かります。

アメリカでのドライクリーニングにチャレンジしてみて、
無理そうでしたら灯油でためしてみたいと思います。

ちなみに、蒸しの代わりに乾燥機はNGですよね・・・?

アメリカへ行って、友禅や藍染めなど日本の文化を少しでも見てもらえればと思います。

これからも分からないことがありましたら質問してしまうかもしれませんがどうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。


さおり
Posted by さおり at 2009年09月28日 13:36
さおり さん

是非 日本の文化を外国の方に広めて下さい。

サイドバーのメッセージから頂けると、例えば写真など添付して もっと詳しい返答が出来ると思いますので、よろしければ そちらもご利用下さい。

“蒸し” というのは 温度と蒸気が必要なので、乾燥機では蒸気を与えられないので 染料がキチンと定着しないと思います。
どんなものを蒸しされるのか分かりませんが、小品なら蒸篭とかでも可だと思います。
もしよろしかったら サイドバー上部の “技術ブログ” も御覧下さい。

海外での 健闘 を祈ってます。
Posted by 染師 麗 at 2009年09月29日 10:44

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