白蝋 泣き出し

染師 麗

2009年07月27日 10:10

暑さが増してきましたが、相変わらず “蝋鍋” を隣に抱えての日々が続く 仙人であった・・・

しかし、暑い時は暑い時で、仕事がやり易くなる事もあるんですヨ。

前回紹介した “白付け” などは、白付けに使う マイクロワックスという蝋の “融点” が高い為
冬場では 蝋がすぐに固まってしまい、細かい部分の白付けが とても難しかったりするんだけど
夏場は 蝋の固まる速さが 幾分ユックリとなり 細かい部分の仕事が割と やり易くなるんだ。

・・・その反面

  ← 白蝋 という蝋は融点が低いので なかなか固まらず
  蝋置きした 柄の周りに 蝋が滲んでるでしょ。
  冬場であれば こんな事は まず無いんだけどねぇ。
   (タップリ蝋を置けば冬だろうが こうなりますけど・・・)
  そんな場合

  白付け に使う マイクロワックスという融点の高い蝋を
  少し混ぜてやると 蝋が固まる速度が速くなり
  仕事が やり易くなるんだ。 (滲みが抑えられる)
  あまり一気に沢山入れ過ぎると 早く固まりすぎて
  仕事がしにくくなるので 様子を観ながら少しづつ・・・

  ← 滲んで 蝋が はみ出した部分は 千枚通しとか
  伸子の先の針とかで 削ってやれば 白蝋のような
  防染力の弱い蝋の場合は ほとんど 問題無い
   (特に引き染をした後に削れば上がりはほぼ同じ)



“季節やら 自分の手に合わせて 材料に工夫を加える”   ・・・と、そんな事も 師匠から教わった 
先人の知恵 でした。    アナログな世界に生きる 仙人であった。       チャンチャン!


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