掛色&垂らし込み

さて、着物の地色は 如何に・・・      と、不安半分・期待半分で仕事場に・・・

“おっ! なかなか いいジャン!”  と一安心。

てなわけで、最後の大仕事へ オンボロ・キャデラック 火を噴きながらラストスパート。



  ← またしても ドライヤーであぶる。
  今回は 全体的に かなり蝋を溶かしてやって
  最後の 掛色 の “垂らし込み” へ。

  最初のベースの地色地色の掛色、今回の
  蝋の掛色の垂らし込みの前と 三回に渡り
  ドライヤーであぶってやった。

  


  ← そして “垂らし込み” をやる前に 
  “影” となる部分を 堰出し

  今回は、前回 帯で試した時 より
  影の色を 淡く してやるつもり。
  この間、どんな感じで垂らし込んでやるか
  頭の中でシュミレーションしながら・・・

イメージトレーニング?も終わり、垂らし込む染料を創ったら “浸透剤” を染料に混ぜる。
 (浸透剤って言うのは、水分をハジクような時に入れてやると良く染み込む助剤なんだ)

  
↑ 先ずは大雑把に 垂らし込む染料を 蝋の上に乗せていく。
紙 や 生地 の上に 直接仕事をするのとは違い 染み込み方がユックリなので 割と楽チン。

  
↑ 後は、調子を整えながら 全体の様子を見る。

  ← 合口を合わせながら もう片側も やっつける。

  生地を並べて 仕事が出来れば いいんだけど
  狭い 仙人の仕事場 では無理なので
  こんな感じで チェック しながら仕事を進める。
  生地が並んでいれば 確認は楽なんだけど
  裏側からの確認で 頭から火が噴きそうになってる。

まだ完全には乾いてないけど ↓ 大体こんな感じで終了。

  


後は 蒸し・ドライ・水元 をしてから、最後の様子を見るつもり。

やるべき事は一通り終ったので、なんか気が抜けてしまい  ボロボロ っちゅう感じ・・・



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2008年12月09日 Posted by 染師 麗 at 10:01訪問着 “空へ”

蝋取り

どうも オレはセッカチな性分で、仕事に掛かると “早く上がりが観たい・・・” となって
良くも悪くも ガンガン飛ばしてしまうので、その後に “廃人化” してしまう・・・

昨日までで、とりあえず無事に仕事が終ったので、本日 もう ボロボロ・グズグズ・・・

でも、まだ 蝋落とし したり、何やかやと “仮縫い”(これは人にお願い) までしなければならないので
ガソリン切れの オ・ン・ボ・ロ CADELLAC もうひと転がし・・・


  ← 今まで一生懸命置いてきた蝋を取る・・・
    (複雑な心境・・・)

  今回の仕事は 新聞紙 で蝋取りしても
  大丈夫そうなので 楽チン。
  ワラ半紙だと 蝋取りできる面積が少なく
  時間がすごく掛かるんだ。


  
↑ 最終的な 蝋取り 前                ↑ 蝋取り 後


  ← その後 蒸しをして、ドライ前の水元

    “ハイ! お・つ・か!”

  蒸しが終ると “上がり” の大体の見当が付くので
  昨日までの “ワクワク感” が少しづつ消えていく・・・
  そして・・・   現実に直面する



  ← 鉄で媒染すると 生地の表・裏の地色に
  “差” が出る事が多々あるんだ。
  これは、媒染の反応の速度によるものなのか
  何なのか良くわからないんだけど・・・

  まぁ 今回の場合は 着物 なので
  それ程大きな問題では無いんだけど・・・


それよりも、なんか 裏側の色 の方が自分のイメージに近いような感じ・・・?
勿論 表の地色も悪くは無いんだけど・・・      う~ん・・・
何にせよ ドライしなければ次の工程に入れないので、それまで一休み。  また新たな気持ちで。

オンボロ・キャデラック しばし車庫に・・・     廃人暮らしの始まりか・・・?



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2008年12月10日 Posted by 染師 麗 at 11:19訪問着 “空へ”

めひき

釉美屋京都展 に出品する 新作着物 も、ドライが終って お・し・ま・い!・・・
  が、しかし もう一息 粘ってみようかと・・・
“地色” 決して悪くは無いんだけど、キットもっと良く出来るはず・・・

イロイロ考えた結果、一番 労少なくして、効多い  “めひき”  をやる事に。

“めひき” っていうのは、全体的に 無地染 のように 同じ染料を引いて 
配色を落ち着かせたり、雰囲気を少し変えたりと、割と少ない手間 で 効果 を出す仕事なんだ。

  
↑ 地色を少し汚すって位の 生成り(矢車) を   ↑ 地色で試してみる。 (簡易蒸しもする)
現在の地色と 大差無い ような感じだけど、ヤッパやった方がいいかも・・・

  ← 無地染 をやるように全体的に “引き染”

  地 も 柄 も関係無く “無地染をする” 感覚で

  媒染していると、撥水するようになり
  生地に染料が 入りづらくなるので
  浸透剤 を混ぜての 引き染

その後、乾いたら 染た時と同じように 蒸し・水元  (今回は蝋等、防染材を使ってないのでドライは無し)

全部 終ってみて、やはり もう一手間 掛けて良かったようだ。
気分的にも “やりきった” って感じで、悔いも残らなかったし・・・  
自画自賛だけど、なかなか “イイのが上がった!” と思う。


後は、湯熨斗をして仮縫いに・・・   (もうオレの手を出すとこは無くなった)


  ← 作品にはならないけど 作品を創る上で
  “裏方” となって、いろいろ 試し染 した端裂

  お・つ・か! でした。

  またひとつ 頭の中のイメージが現実となった。
  今は、そんな  嬉しさでイッパイ!


さて、仮縫いして 上がりはどうかな・・・?   ワクワクする。           じゃ!



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2008年12月16日 Posted by 染師 麗 at 10:50訪問着 “空へ”

“空へ” 上がり

オレの手を離れ、湯熨斗・絵羽(仮縫い)に行ってた 新作着物 “空へ” が、上がってきた。



これから 釉美屋京都展 に・・・

  ← 背中の部分

  “帯で試し” をしたり、最後になってから
  もうひとふんばり “めひき” をしたりと
  手間を掛けただけあって、自分としては
  納得の行く 上がり になったと思う。

  後は、イロイロな方々が どのように評価してくれるかだ・・・
  少々緊張しながら、京都に行って来ようと思う・・・



今年も残すところ、あと一週間・・・    皆さん風邪などひかぬよう御自愛下さい。



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2008年12月25日 Posted by 染師 麗 at 10:30訪問着 “空へ”