ひまわりさんの風呂敷 4

・・・白ロー起こし・・・

前回の 渋木の引き染 が乾いたので、クロムで媒染して (作業としては引き染と同じ)
 (媒染 : 後々詳しく説明するけど、金属分を含んだ水溶液で染料を定着・発色させる工程)
ひまわりの中心部に 渋木・蘇芳・ヘマチンを混ぜた染料を刺(さ)す。
 (染料の名前とかも後々説明 : 4月の個展終わってからかなぁ・・・)
 
染料を 刺す ・・・なんだけど、素人さんは 塗る と言うけど
オレらは 刺青 のように 後から消せない と言う願いを込めて (多分そういうことだと思う) 刺しと言うんだ。

ひまわりさんの風呂敷 4

(中央の顔の絵は、ひまわりさんのキャラクターだよ)
さて、いよいよ佳境に入るヨ。

前回は マイクロワックス で染料が染みないようバッチリふせたんだけど (ふせる : ローを置く事)
今回は 白ロー で,染料を少し染みさせるんだ。

この 白ロー っていう ローは少し染料を通過させるので、イロイロな細工をするのに便利なんだ。
今回の 白ロー起こし っていう技法は、他の工房ではあまり見かけないので
オレの師匠の系列 の独特の技法かもしれない。 (チョット詳しくわからないけど・・・)

ひまわりさんの風呂敷 4

写真を見てもらうとわかると思うけど、ローにレリーフがついてるでしょ。
照りのあるとこがローが厚くて、照りの無いとこがローの薄いとこなんだ。
ローの厚いとこは染料をはじき、薄いとこは染料を少し通して生地に染みさせるんだ。

そして、これから 鉄 で媒染。
染料ではないけど、鉄を使うと色が暗く落ちて発色してくんだ。

ひまわりさんの風呂敷 4

 ↑まだ 鉄 を引いたばっかしの時
まだローの上に水滴(鉄溶液)が見えるよね。
このままだとこの水滴のポチポチが残って、なんか汚らしく見えてしまうので
半乾きになるくらいまで時々刷毛でこすってやってジックリ染み込ませてやるんだヨ。

ひまわりさんの風呂敷 4

 ↑大分落ち着いてきたとこ
地色も、引き染したばかりの上の写真と比べると発色してるでしょ。
ローにも染み込んで、濃淡が出てるのもわかるよね。

話はチョット変わるけど・・・
前回の引き染の写真では表側しかわからなかったけど裏から見るとこんな感じで
竹ひごの先に針の付いてる 伸子(しんし)というやつで生地がたるまないように張ってあるんだ。

ひまわりさんの風呂敷 4

  山場は越えたッチ!  

今回はこんなとこで・・・     白ロー起こし  でした。
                                            じゃ!



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2008年01月26日 Posted by染師 麗 at 00:17 │ひまわりさんの風呂敷

この記事へのコメント
出来上がりが楽しみですね(^_^)
ローの濃淡の成果を早く見たい!
ところで・・・今回の地の色は何色と表現するんでしょうか?
写真だと角度によって違う色に見えてしまうので・・・・
Posted by saitosaisaitosai at 2008年01月26日 09:14
saitosai さん
写真では色味なんて全然伝わりません。 ツライとこなんだ・・・
実際の上がりの色は オリーブ・グリーン の様な色です。
この風呂敷は、皆さんの目に触れることが無いのが残念です。
ひまわりさんに直接見せてもらうしかないかなぁ・・・       じゃ!
Posted by 仙人 at 2008年01月26日 21:41

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