白蝋? 木蝋?

雨ニモ負ケ、風ニモ負ケ、夏ノ暑サニモ 結石ノ痛ミニモ負ケ ながら お仕事中・・・

白蝋? 木蝋?  クソ暑い日が続きますが、皆さん生きてますか?

  秋の展示会 CAPARISON と BERG に向けての
  “新作” が欲しい・・・  で、保冷剤を ドタマ に巻いて
  灼熱地獄? の仕事場で 少しでも 風の通る場所を
  探して 移動しながらの 図案描き修行中・・・  汗・汗・汗・・・

ここのところ オレのブログ 本来の目的の “染に関する記事” が、ほとんど無く 情けなく思っていたら・・・
(オレが何を食ったとか何処へ行ったなんて たまに読んでくれてる方々には興味なんか無いっすよネェ)

ブログで知り合った 先輩・藤森さん から 先日 美味しいトウモロコシを送って頂き 御礼の電話の時に
先輩からの 突然の質問・・・

“なんで 蝋で 調子 やら 起こし をする時、“木蝋” ではなく “白蝋” を使うの?” との事。

そういえば、技術ブログ の方には その件に関する事 書いてなかったよなぁ・・・ と思ったのでチョックラ。

木蝋 も 白蝋 も 本来は同じものです。   木蝋は 櫨(はぜ)の木から採った 鶯色をした植物性の蝋です。
その 木蝋 を精製したのが 白蝋 で、その精製する手間の分? 約10%ほど値段が高いです。

では何故、値段の高い “白蝋” を使うのか???

化学染料 を使っていれば ほとんど問題は無いのですが、オレは 天然染料 を使っている為
木蝋 の中に含まれる 不純物に 天然染料が “反応” してしまう “可能性” があるからです。
白蝋 でも永い時間 火に掛けてると (ヒーターで熱し続けると) 焦げて 茶っぽくなってきます。
それが、脱蝋しても残って (反応して) 蝋の跡が残ってしまうことがあります。
多分 化学染料で染めていれば、こういった問題は無いと思うのですが・・・

また、ま糊 (餅粉を原料とした糊) で伏せた場合も 糊の周りに “糊水” といった 塩分他を含んだ水が出て
その部分が反応して 色が変わってしまいます。

・・・等といった問題が 多々あるのですが、天然染料 の持つ “色の深み” みたいなものが好きで
オレは 天然染料 を使い続けてます。    (いつも言いますが、化学染料の色が悪いわけでは決してなく
化学染料も手塩に掛けて “色” を創ってやれば美しい色になります)

と、真摯に仕事に取り組んでる方からの質問に とってもハッピーな 仙人様であった。      チャンチャン!


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2011年08月18日 Posted by染師 麗 at 09:15 │仕業中


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