地染 染料&媒染

染師 麗

2010年02月13日 23:13

準備も整い いよいよ最後の段階 “地染” に掛かる。

  今回の地色予定は “紺地”
  “ヘマチン” (元は黒を染める染料) を使って
  “鉄” か “クロム” で媒染する考え。

  ← 先ずは ヘマチン を 引き染め。



  ← 染料を引いたばかりの時

  まだ、白蝋が 染料をはじいて
  蝋の上は 染料の粒粒になってる。
  染料が落ち着くまで 時々染料を浸けてない刷毛で
  “返し刷毛” をしながら 面倒を見てやる。


  ← 染料が大分馴染んで来た。

  返し刷毛 の際は 円を描くような感じで
  蝋の上の染料を “摺りこんでやる” といった様に
  あまり力を入れずに ゆっくりと。
  (蝋の上の染料が 粒粒にならなくなるまで)


  ← まだ完全に乾いてませんが 光の照りで
  蝋の濃淡 や 染料の馴染み具合が分かるでしょ。
  引きっぱなしで 蝋の上の染料の面倒を見てやら無いと
  染料の粒粒の跡が 後からハッキリ分かってしまいます。
  (落ち着くまで2~30分の事なので頑張りましょう)



さて、先に引いた染料が乾き 次に 何で 媒染 してやるかを考えるのですが・・・  (マァ、鉄かクロムですが)
  ← ヘマチンを 鉄(左) ・ クロム(右) で
  媒染 して 試し蒸し(中央部分)をした 試し裂

↑ クロムの場合 “蒸し” をしてやらないと発色しないので、中央から右側(クロム側)では 
蒸しをしてない ヘマチン×クロム の部分(最右端)は 未だ ヘマチンの色をしてますね。
それに対して 鉄は媒染後 直ぐに発色して 蒸しをした後とそれほど変わりません。

色味ですが、ヘマチン×クロムは “藍染” の様な チョットくすんだブルーです。
ヘマチン×鉄は ヘマチン×クロムに紫を混ぜたような もう少し “紫味を持った藍色” といった感じです。
この後に 重クロム酸カリ で媒染すると “三度黒” と言う 黒になります。

  鉄・クロム のどちらで媒染するかを考えてたのですが
  ← 写真のような感じで “かなり蝋が痛んでいる” ので
  鉄で媒染すると 蝋の濃淡部分で かなりガツンと
  差がついてしまうのではないかと考えられ クロムに決定。
  (下の葉の部分の媒染もクロムなので染料分の差で済む?)

  ← クロム媒染 に決定して 媒染中。

  クロムの場合は 他の染料と違って 直ぐに発色してこないので
  気分的にユックリできます。 平らに均すように染めて下さい。



もう少し・・・        空咳の続くヘロヘロジジィでした・・・          チャンチャン!



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