仕事もほぼ終わり 最後の 蒸し・ドライ・水元 に掛かる前に もう一仕事。
肩の部分の お月様の彩色に掛かる。
← マイクロワックスで伏せてあったので 白く抜けている。
蝋取りしたアイロンの熱で 柄の周りが幾分反応して
濃くなり始めている。 (蒸しをするとこの地色が紺になる)
← 柄の周りを
“堰出し” して 淡い黄色を刺す。
アイロンでマイクロワックスはかなり落としてるものの
まだ 蝋分は残っているので 染料に “浸透剤” を
入れないと 蝋分にはじかれてしまい なかなか染まらない。
彩色した染料が乾いたら お月様の陰影を
白蝋で
“調子” で置き 蝋の上でも はじかれないくらいの
浸透剤を入れた染料(グリーン)で彩色(掛色)する。
(彩色後 生地が傾いてると 染料に浸透剤が入っている為
流れやすくなってるので注意!)
これで 李朝の松・着物の 染工程は全終了! 最後の
“脱蝋” の為の工程に入る。
← 先ずはアイロンによる 蝋取りから。
蝋の上の染料を 生地に “じわ~っ” と染みさせるように。
(今回地色は濃いので新聞紙での蝋取りでも問題無し)
新聞に蝋が付かなくなるまで 数回繰り返す。
← 蝋取りが終ったら
“蒸し” に入れる準備。
他の工房では ここら辺から外注に出してるんだけど
オレは “簡易蒸し器” で自分で蒸しもやる。
← 蒸しの前は こんな茶っぽい地色ですが・・・
蒸しを 4~50分程してやると あ~ら不思議
← こんな 紺地になってしまうんですね。
“クロム媒染” は最後の蒸しが終るまで 色が分からず
それが大変でもあり 楽しみでもあったりします。
後は
“ドライ” をして完全に蝋分やゴム糊を落として (他の工房では外注、オレは実家がドライ屋なので自分)
“水元” をして生地に残っている余分な染料を洗い落としてやります。 (これも他工房では外注)
その後に 小針で歪になった生地幅を整える
“湯熨斗(ゆのし)” (これはオレも外注)をして
着物の形に仮縫いする
“絵羽(えば)” (外注)をして 出来上がり。
← オレの出来る全工程を終え 元の一反に戻して
湯熨斗屋さんへ持って行く準備も終る。
湯熨斗をしてもらってから 最後の上絵羽へ。
← 反物の横に置いてある端切れは、今回の色創りに使用したもの。
残すところは 絵羽が上がって来るのを楽しみに待つだけ。
今回 以前にやった事のある仕事で 工程もある程度把握してたので、出来るだけ分かり易いように
解説したつもりですが、自分で “染” をやらない方には ??? だったかもしれませんね。
もっと 染をやった事の無い方にも興味を持ってもらえるよう 努力してきますが、“度量未だ追いつかず”
・・・といった感じでしょうか。 まぁ ボチボチと頑張っていきます。
分からない部分については お気軽に質問して下さい。 (コメントからでもメッセージからでも)
時間が掛かるかもしれませんが必ず返答しますので。
では、つき合って読んでくれた皆さん ども ありがと! じゃ!
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