染って・・・ 4

染師 麗

2008年01月04日 09:00

“ いかにして 染まらない ところを作るか ”

前回まで 染まる って事について説明してきたんだけど、ここでチョット・・・

お茶を飲んでて ついウッカリこぼしてしまい モヨウができてしまった。
これって  ・・・シミ  ・・・染 ???
まぁこれは、意図しないとこに モヨウが出来てしまったんだから シミっすよネ!

だけど、それと同じお茶で 生地全部を浸して
その生地が、お茶の色になったら これって 染 でしょ。
( もちろん基本は、この生地が ムラ無く 均一に 同じ色になって、 後から洗っても色落ちしない という事で無ければいけないんだけど )



先ず オレらの基本はムラ無く 均一に染めるということなんだけど
   それを踏まえて、
次に そこにどうやって文様をつけるか という事なんだ。

・・・で、ここで生地にどうやって文様を染めるかって事になってくるんだけど
この 文様染って、なんか逆説的になるんだけど
“ いかに 染まらない部分を作るか ” って事なんだ。

例えば最初に、みんな良く聞いた事あると思うんだけど 絞り染
オレは絞り染はやらないので、技術的な事は詳しくわからないんだけども
生地を糸で縛って その部分に染料が入らないようにしてやるんだ。

次に、名前くらいは聞いた事があるかもしれないけど ローケツ染
ローを熱して溶かしたやつで生地に文様を描く。
ローは冷えると固まり、そのローの部分が水分をはじくので染まらず、その部分が元の色で残るんだ。

そして華やかなイメージの 友禅染
これは糊で染まらないとこを作ってやるんだけども、簡単に説明すると
御飯粒を潰してやってネバーっとしたやつを 筒に入れ (ケーキに名前とか入れるときに使うような)
それで線を描いていくような技法。 (昔は糯米で作った糊だったんだけど、最近ではほとんどゴム糊)
その糊でくくられた線の中に色を挿していくんだ。

あと 型染
これには色々な方法があるんだけど 型紙 または 版木 を彫って
 1 型紙を置いて摺り込む  または 版木でスタンプ
 2 型紙で染料を含んだ糊を摺り その色を定着させる
 3 2枚の版木の間に生地を挟んで染める (板締め・夾けち染)

ものすごーく大雑把に言えば、現在の染って これらの応用なんすョ。

・・・あと別に 素描 って言うのがあるんだけど、これはフツーに絵を描くのと同じように
染料で 直に生地に描いてしまうのでチョット文様染というのとは違うかなァ~・・・???

俺が思う 文様染っていうのは 油彩のようにどんどんプラスしていって出来上がるのではなく
出来上がりから 染重ねる部分 をマイナスしてきて、そのマイナスしきった最終のとこから始めるんだ。

    チョット長くなっちまった。 今日はここらにして・・・

文様染 っていうのは “いかに染まらない部分を作るか” なんだ。

 そんなチョット逆説的なことわかってもらえると シ・レ・ウ~!
                                        じゃ!



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