ドライヤーあぶり 下染め

染師 麗

2008年12月06日 09:59

前日 思わずも一日で終った “蝋置き(白蝋起こし)” だったんだけど、
眼・腰に “ジジィ性ダメージ” が残り ユル~ク お昼頃から ボチボチと仕事に掛かる・・・

本日、最初の仕事。   必殺技! ドライヤーあぶり!

  ← ドライヤーの 熱風 で蝋を溶かし
  蝋のエッジを柔らかくしてやるんだ。

  前回、着物を染める前の 試しに染めた帯 が
  なかなか良い感じに染まったので
  もう少し工夫しながらドライヤーで蝋を溶かしてやる。


 → 
↑ “白蝋起こし” をした状態               ↑ ドライヤーであぶってやった後

蝋の 厚い部分 の “エッジ” がドライヤーの熱で溶けて “カチッ” とした感じではなく
“ボヤ~ッ” とした感じになる。  (だいぶペタ~っとした感じ)
今回の着物は “狼煙(のろし)” のような煙のイメージなので、こんな感じが良さそう。

唯、全体的に 同じように 蝋を溶かしたのでは面白くないので
かなり溶かして ペタ~ッ とした部分と、幾分 エッジ の残ってる部分を 適度に混ぜながら仕事を進める。

この必殺技、一見簡単そうなんだけど “蝋の溶け始め” の見極めに少々コツ?がいるんだ。
ベタ~ッ とさせてしまうのなら 特に気を使う必要は無いんだけど、
やや エッジ を残しながら 溶かすような場合、溶け始めの 少し前にドライヤーを外さないと
思ってる以上に 蝋が溶けていってしまうので 注意が必要なんだ。
  (自分で染をやってる人 が居たら面白いと思うのでやってみてネ!)


さて、当初の計画では 地色は “少々青味の銀鼠” と思ってたんだけど いまいちピンと来ずに放って置いた。
・・・で、美術館めぐりをしてる間に ハタと思いついた “青磁” に決定!  
    (今回は少々 化学染料の御世話になりそうだ・・・)



  ← 先ずは、ベースとなる下地を染める。

  薄めの 矢車 に、青味が出るように
  ヘマチン をほんの少々混ぜて 引き染。

  (下地の段階では、まだ天然染料オンリー)


  

・・・そして・・・

  ← 染料が乾いたら 次は 鉄媒染

  鉄で 媒染 してやると どの染料も
  色が 暗い方向に 落ちていくんだ。
  だから 中色より薄めの地色の場合は
  染料 も 媒染剤 も幾分 薄めでの使用。


  



  引き染が終ってからも “半乾き” になる位まで
  蝋の上の染料を 摺り込んでやる ように
  しばらく面倒を見てやるんだ。

  2~30分も経てば染料も落ち着くので
  その間 面倒を見てやると 上がりも違ってくるよ。



とりあえず、ベースになるところまでは辿り着いた。  これからが正念場。       じゃ!



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