ひまわりさんの風呂敷 1
・・・糸目・・・
毎年 4月のアタマにオレのホームグラウンド 吉祥寺あーとらんだむ で個展をやってるんだ。
現在、今年のそれに向けて図案を考えてるんだけど、それと並行して ダチ の
女流講談の 神田ひまわり さんが、この春 真打に昇進するので (真打になって 日向ひまわり さんに変わります) そのお祝いに風呂敷を作ってるんだ。
彼女の事は次回?詳しく説明します。 もう少々お待ちを・・・
・・・で今回はその作業について

↑ これは 染って・・・5 で説明した 友禅の防染材 の糊 (ゴムのり) です。
この糊をセロハンで作った円錐状の筒に入れ,先がね(糊の出口の金属製の口)をつけてスタンバイ↓

↑で、後々消える アイ花 というもので生地に下描きした上に
ケーキに名前を入れるという感じで、糊を置いてくんだ。 ↓

↑ この事を オレらは “糸目をひく” といってるんだ。
この糊は、染が終わってから洗い落とすんだけど、それが線となって残るんだ。
基本的には無機質な線なんだけど
やはり 上手い仕事 には 筆つい といわれる筆で描いたような感じが出るんだ。
鉛筆やボールペンで描いても そんな感じ (筆の勢い) 出るよネ。
今回は 糸目 についてでした。 じゃ!
BLOG INDEX へ戻る
毎年 4月のアタマにオレのホームグラウンド 吉祥寺あーとらんだむ で個展をやってるんだ。
現在、今年のそれに向けて図案を考えてるんだけど、それと並行して ダチ の
女流講談の 神田ひまわり さんが、この春 真打に昇進するので (真打になって 日向ひまわり さんに変わります) そのお祝いに風呂敷を作ってるんだ。
彼女の事は次回?詳しく説明します。 もう少々お待ちを・・・
・・・で今回はその作業について
↑ これは 染って・・・5 で説明した 友禅の防染材 の糊 (ゴムのり) です。
この糊をセロハンで作った円錐状の筒に入れ,先がね(糊の出口の金属製の口)をつけてスタンバイ↓
↑で、後々消える アイ花 というもので生地に下描きした上に
ケーキに名前を入れるという感じで、糊を置いてくんだ。 ↓
↑ この事を オレらは “糸目をひく” といってるんだ。
この糊は、染が終わってから洗い落とすんだけど、それが線となって残るんだ。
基本的には無機質な線なんだけど
やはり 上手い仕事 には 筆つい といわれる筆で描いたような感じが出るんだ。
鉛筆やボールペンで描いても そんな感じ (筆の勢い) 出るよネ。
今回は 糸目 についてでした。 じゃ!
BLOG INDEX へ戻る
2008年01月19日 Posted by 染師 麗 at 10:03 │ひまわりさんの風呂敷
ひまわりさんの風呂敷 2
・・・白づけ・・・
前回の 糸目 の工程も終わり、今はロー置きに移ったんだ。
ローケツ染にもイロイロ種類があるんだけど・・・
今回のは基本中の基本 (オレの系列では・・・ : 師匠、その師匠、そのまた師匠・・・と続く)
“白づけ”です。
これは 染って・・・1 で紹介したように 染では先に染めた色の影響を受けるので
他の色の影響を受けないように、一度 白く (地色) 抜いておく技術なんだ。
・・・今回の場合は白く抜きたいからなんだけど。
使う ローは マイクロワックス
この ロー(ワックス)は、融点が高く粘りがあるので防染力が強く,主にはこの白ずけに使用するんだ。

それを溶かして、ロー筆で (といっても、熱で痛むので普通の安い筆) 生地に描いていくんだ。

このマイクロワックスの難しいところは
融点が高いので (それだけ固まるのが早い) チャッチャと仕事をしなければならないんだ。
一度生地に筆を下ろしたら、その部分が終わるまで一気にやっつけないと
ローが生地の裏まで抜けなかったり、ローを重ねた部分が凸凹したりするんだ。
このワックス、防染力が強いといっても 一度置いただけでは若干 生地に染みてしまうので
一度 ローを置いた上に、もう一度 ローを重ねて 染みないように補強してやるんだ。

↑ ローが盛り上がってるのがわかるよね。
ローケツ染には、もっといろんな ローや技法があるんだけどそれは追々・・・
今回は基本中の基本 白づけ でした。
じゃ!
※ bleumama さん、お陰で “弱冠” にせずにすみました。 感謝!
BLOGINDEX へ戻る
前回の 糸目 の工程も終わり、今はロー置きに移ったんだ。
ローケツ染にもイロイロ種類があるんだけど・・・
今回のは基本中の基本 (オレの系列では・・・ : 師匠、その師匠、そのまた師匠・・・と続く)
“白づけ”です。
これは 染って・・・1 で紹介したように 染では先に染めた色の影響を受けるので
他の色の影響を受けないように、一度 白く (地色) 抜いておく技術なんだ。
・・・今回の場合は白く抜きたいからなんだけど。
使う ローは マイクロワックス
この ロー(ワックス)は、融点が高く粘りがあるので防染力が強く,主にはこの白ずけに使用するんだ。
それを溶かして、ロー筆で (といっても、熱で痛むので普通の安い筆) 生地に描いていくんだ。
このマイクロワックスの難しいところは
融点が高いので (それだけ固まるのが早い) チャッチャと仕事をしなければならないんだ。
一度生地に筆を下ろしたら、その部分が終わるまで一気にやっつけないと
ローが生地の裏まで抜けなかったり、ローを重ねた部分が凸凹したりするんだ。
このワックス、防染力が強いといっても 一度置いただけでは若干 生地に染みてしまうので
一度 ローを置いた上に、もう一度 ローを重ねて 染みないように補強してやるんだ。
↑ ローが盛り上がってるのがわかるよね。
ローケツ染には、もっといろんな ローや技法があるんだけどそれは追々・・・
今回は基本中の基本 白づけ でした。
じゃ!
※ bleumama さん、お陰で “弱冠” にせずにすみました。 感謝!
BLOGINDEX へ戻る
2008年01月22日 Posted by 染師 麗 at 10:52 │ひまわりさんの風呂敷
ひまわりさんの風呂敷 3
・・・引き染・・・
白づけも終わって、いよいよ地色の染めに・・・
先ずは 染料煎じ。
オレは基本的には 草木染め と呼ばれる天然染料を使ってるんだけど
天然染料では出せない色 (特にきれいなブルー) や、媒染材(後で説明)の関係で少し色味をつけたい時に 化学染料を使ってるんだ。
今回のひまわりさんの風呂敷では、写真の “渋木” と呼ばれる ヤマモモの木の樹皮 を使うヨ。

これをホーロー引きのずん胴で数回煎じ染液を創るんだ。
何故ホーロー引きかっちゅうと、金属そのままの鍋だとその金属分が染料と反応してしまうからなんだ。


この染料を布で漉して、いよいよ引き染に・・・
“染める”って事で 皆さん先ず思うのは、染浴の中に生地を “ザブッ” と浸すと思うんだけど
オレらのやってるのは ひき染 といって、刷毛で染料を生地に染めてくやり方なんだ。
何故かっちゅうと、オレらのやってるような文様染めでは ローなどを使ってるので、染浴の中に生地を入れてしまうとローが割れて柄にヒビが入ってしまったり、生地の裏側から染料が回り込んでしまうからなんだ。
バティックとかでは、それもまた味なんだけど・・・
また染浴で染めるにはある程度の染料の量が必要なんだけど、引き染で刷毛で染めるやり方だと量が少なくて済むんだ。
今回、風呂敷なので幅が広くていつもと感じが違うんだけど ↓大体こんな感じ。

写真では隠れてしまってるんだけど、左手にはバケツを持ってるヨ。
刷毛の染料が無くなって来たら、そのバケツの染料をまた刷毛につけて染めてくんだ。
多くの模様師さんは 引き染 は外注に出すんだけど、オレは天然染料を使う事が多いので
(天然染料で 地染 をやる 染屋さんが無いので) 自分でやっつけるんだ。
いつもは着物生地・帯生地がほとんどで幅が40cm以下が多く
屏風など創る時でも90cm位なので、今回のような115cm幅だと端まで手が届かず難儀しました。
まぁ、日々経験!ってかぁ~ 精進・精進!
今回は、こんな感じかな・・・ 引き染 でした。
じゃ!
BLOG INDEX へ戻る
白づけも終わって、いよいよ地色の染めに・・・
先ずは 染料煎じ。
オレは基本的には 草木染め と呼ばれる天然染料を使ってるんだけど
天然染料では出せない色 (特にきれいなブルー) や、媒染材(後で説明)の関係で少し色味をつけたい時に 化学染料を使ってるんだ。
今回のひまわりさんの風呂敷では、写真の “渋木” と呼ばれる ヤマモモの木の樹皮 を使うヨ。
これをホーロー引きのずん胴で数回煎じ染液を創るんだ。
何故ホーロー引きかっちゅうと、金属そのままの鍋だとその金属分が染料と反応してしまうからなんだ。
この染料を布で漉して、いよいよ引き染に・・・
“染める”って事で 皆さん先ず思うのは、染浴の中に生地を “ザブッ” と浸すと思うんだけど
オレらのやってるのは ひき染 といって、刷毛で染料を生地に染めてくやり方なんだ。
何故かっちゅうと、オレらのやってるような文様染めでは ローなどを使ってるので、染浴の中に生地を入れてしまうとローが割れて柄にヒビが入ってしまったり、生地の裏側から染料が回り込んでしまうからなんだ。
バティックとかでは、それもまた味なんだけど・・・
また染浴で染めるにはある程度の染料の量が必要なんだけど、引き染で刷毛で染めるやり方だと量が少なくて済むんだ。
今回、風呂敷なので幅が広くていつもと感じが違うんだけど ↓大体こんな感じ。
写真では隠れてしまってるんだけど、左手にはバケツを持ってるヨ。
刷毛の染料が無くなって来たら、そのバケツの染料をまた刷毛につけて染めてくんだ。
多くの模様師さんは 引き染 は外注に出すんだけど、オレは天然染料を使う事が多いので
(天然染料で 地染 をやる 染屋さんが無いので) 自分でやっつけるんだ。
いつもは着物生地・帯生地がほとんどで幅が40cm以下が多く
屏風など創る時でも90cm位なので、今回のような115cm幅だと端まで手が届かず難儀しました。
まぁ、日々経験!ってかぁ~ 精進・精進!
今回は、こんな感じかな・・・ 引き染 でした。
じゃ!
BLOG INDEX へ戻る
2008年01月23日 Posted by 染師 麗 at 23:00 │ひまわりさんの風呂敷
ひまわりさんの風呂敷 4
・・・白ロー起こし・・・
前回の 渋木の引き染 が乾いたので、クロムで媒染して (作業としては引き染と同じ)
(媒染 : 後々詳しく説明するけど、金属分を含んだ水溶液で染料を定着・発色させる工程)
ひまわりの中心部に 渋木・蘇芳・ヘマチンを混ぜた染料を刺(さ)す。
(染料の名前とかも後々説明 : 4月の個展終わってからかなぁ・・・)
染料を 刺す ・・・なんだけど、素人さんは 塗る と言うけど
オレらは 刺青 のように 後から消せない と言う願いを込めて (多分そういうことだと思う) 刺しと言うんだ。

(中央の顔の絵は、ひまわりさんのキャラクターだよ)
さて、いよいよ佳境に入るヨ。
前回は マイクロワックス で染料が染みないようバッチリふせたんだけど (ふせる : ローを置く事)
今回は 白ロー で,染料を少し染みさせるんだ。
この 白ロー っていう ローは少し染料を通過させるので、イロイロな細工をするのに便利なんだ。
今回の 白ロー起こし っていう技法は、他の工房ではあまり見かけないので
オレの師匠の系列 の独特の技法かもしれない。 (チョット詳しくわからないけど・・・)

写真を見てもらうとわかると思うけど、ローにレリーフがついてるでしょ。
照りのあるとこがローが厚くて、照りの無いとこがローの薄いとこなんだ。
ローの厚いとこは染料をはじき、薄いとこは染料を少し通して生地に染みさせるんだ。
そして、これから 鉄 で媒染。
染料ではないけど、鉄を使うと色が暗く落ちて発色してくんだ。

↑まだ 鉄 を引いたばっかしの時
まだローの上に水滴(鉄溶液)が見えるよね。
このままだとこの水滴のポチポチが残って、なんか汚らしく見えてしまうので
半乾きになるくらいまで時々刷毛でこすってやってジックリ染み込ませてやるんだヨ。

↑大分落ち着いてきたとこ
地色も、引き染したばかりの上の写真と比べると発色してるでしょ。
ローにも染み込んで、濃淡が出てるのもわかるよね。
話はチョット変わるけど・・・
前回の引き染の写真では表側しかわからなかったけど裏から見るとこんな感じで
竹ひごの先に針の付いてる 伸子(しんし)というやつで生地がたるまないように張ってあるんだ。

山場は越えたッチ!
今回はこんなとこで・・・ 白ロー起こし でした。
じゃ!
BLOGINDEX へ戻る
前回の 渋木の引き染 が乾いたので、クロムで媒染して (作業としては引き染と同じ)
(媒染 : 後々詳しく説明するけど、金属分を含んだ水溶液で染料を定着・発色させる工程)
ひまわりの中心部に 渋木・蘇芳・ヘマチンを混ぜた染料を刺(さ)す。
(染料の名前とかも後々説明 : 4月の個展終わってからかなぁ・・・)
染料を 刺す ・・・なんだけど、素人さんは 塗る と言うけど
オレらは 刺青 のように 後から消せない と言う願いを込めて (多分そういうことだと思う) 刺しと言うんだ。
(中央の顔の絵は、ひまわりさんのキャラクターだよ)
さて、いよいよ佳境に入るヨ。
前回は マイクロワックス で染料が染みないようバッチリふせたんだけど (ふせる : ローを置く事)
今回は 白ロー で,染料を少し染みさせるんだ。
この 白ロー っていう ローは少し染料を通過させるので、イロイロな細工をするのに便利なんだ。
今回の 白ロー起こし っていう技法は、他の工房ではあまり見かけないので
オレの師匠の系列 の独特の技法かもしれない。 (チョット詳しくわからないけど・・・)
写真を見てもらうとわかると思うけど、ローにレリーフがついてるでしょ。
照りのあるとこがローが厚くて、照りの無いとこがローの薄いとこなんだ。
ローの厚いとこは染料をはじき、薄いとこは染料を少し通して生地に染みさせるんだ。
そして、これから 鉄 で媒染。
染料ではないけど、鉄を使うと色が暗く落ちて発色してくんだ。
↑まだ 鉄 を引いたばっかしの時
まだローの上に水滴(鉄溶液)が見えるよね。
このままだとこの水滴のポチポチが残って、なんか汚らしく見えてしまうので
半乾きになるくらいまで時々刷毛でこすってやってジックリ染み込ませてやるんだヨ。
↑大分落ち着いてきたとこ
地色も、引き染したばかりの上の写真と比べると発色してるでしょ。
ローにも染み込んで、濃淡が出てるのもわかるよね。
話はチョット変わるけど・・・
前回の引き染の写真では表側しかわからなかったけど裏から見るとこんな感じで
竹ひごの先に針の付いてる 伸子(しんし)というやつで生地がたるまないように張ってあるんだ。
山場は越えたッチ!
今回はこんなとこで・・・ 白ロー起こし でした。
じゃ!
BLOGINDEX へ戻る
2008年01月26日 Posted by 染師 麗 at 00:17 │ひまわりさんの風呂敷
ひまわりさんの風呂敷 5
・・・ローとり・蒸し・水元・・・
さて、染の工程は無事?終り
生地に残ってる いらないモノを取ったり、染料を定着・発色させる最後の工程に入るヨ。
ローとり
最終的には ドライ をやってローを落とすんだけど
その前に、大体のローをアイロンでワラ半紙に吸い取らせるんだ。
(新聞紙でもいいんだけど時たま新聞のインクが写ってしまう事が
あるんで 淡い色の地色のやつはワラ半紙でやった方がいいヨ)
蒸し
ロー取りが終わったら 次は 蒸し と言う工程をするんだ。
蒸気で生地を蒸して、繊維の染まる部分の入り口を開いてやって染料を繊維の奥まで入れてやるのと
染料の色を発色させてやる為にやるんだ。
↑こんな感じで 柄 と 地 が打ち合わないように 不織布 という薄いフェルトみたいなのを挟んで
簡易蒸し器 ↓ の中に入るよう巻いて蒸してやるんだ。
普通の着物・帯の場合
真ん中の継ぎ目のとこまでで
間に合うんだけど
今回は広幅の生地なので
なんかロケットの打ち上げみてぇ・・・
他の模様師さんは
ここからの 蒸し・ドライ・水元という工程は
外注に出すんだけど
オレはオヤジがドライクリーニングをやってるんで
蒸しも自分でやっつけるんだ。
(もともとオレの師匠とは、それが縁で
弟子になったんだけど・・・)
この蒸しをする時、温度が低いと (特に冬場)
蒸気になりきれず、途中で水分になって生地に 蒸しダレ という難が出たりするので
オレは料理屋さんで使ってる火力の強い 2連のコンロでやってるんだ。
モノによっては、巻いた 内側と外側 で蒸しの差が出たりするので
途中で 内側と外側 を逆に巻きなおして、もう一度蒸すとカンペキ!
水元
蒸しが終わったら、生地に残ってる余分な染料を
洗い落としてやる為に、 水元 という水洗の工程に入るヨ。

よくTVや本で見る 友禅流し という工程 (現在は川ではできないけど)
水をどんどん流しながら洗ってやるんだ。
いつもの 着物・帯生地 だと、幅が狭いので浴槽の中で順に送ってやればいいんだけど
(今回のは広幅の生地なんで大変だったッチ!)
ここまで来て、良く染まってないと
柄が打ち合ったり、色の淡い部分 を 濃い色 が汚染してしまったりするんだ。
最後の一番キンチョーする工程だね。
ここまで終わったら ドライクリーニング をしてロー・ゴムのりを落として出来上がり。
おっと、最後に前回の最後の生地裏からの写真のように 伸子 で生地が凸凹してるから
それを元の生地のようにまっすぐにする(幅をだす) 湯のしという工程を経て出来上がり。
(オレは、この湯のしの工程と 仮・本仕立ての工程だけ外注に出してるんだ)
まだ、ドライクリーニングや湯のし・仕立ての工程は終わってないけど
(それに2点、並行して制作してたので もう片方がまだ上がってないけど)
ひまわりさんの風呂敷 の巻はおしまい! ちゃん・ちゃん!
勿論 染に応じてイロイロな工程があるんだけど
大雑把 オレの仕事はこんな感じなんだ。 お・つ・か・れ!
後は ひまわりさん 喜んでくれっかなぁ・・・??? じゃ!
BLOG INDEX へ戻る
さて、染の工程は無事?終り
生地に残ってる いらないモノを取ったり、染料を定着・発色させる最後の工程に入るヨ。
ローとり
その前に、大体のローをアイロンでワラ半紙に吸い取らせるんだ。
(新聞紙でもいいんだけど時たま新聞のインクが写ってしまう事が
あるんで 淡い色の地色のやつはワラ半紙でやった方がいいヨ)
蒸し
ロー取りが終わったら 次は 蒸し と言う工程をするんだ。
蒸気で生地を蒸して、繊維の染まる部分の入り口を開いてやって染料を繊維の奥まで入れてやるのと
染料の色を発色させてやる為にやるんだ。
↑こんな感じで 柄 と 地 が打ち合わないように 不織布 という薄いフェルトみたいなのを挟んで
簡易蒸し器 ↓ の中に入るよう巻いて蒸してやるんだ。
真ん中の継ぎ目のとこまでで
間に合うんだけど
今回は広幅の生地なので
なんかロケットの打ち上げみてぇ・・・
他の模様師さんは
ここからの 蒸し・ドライ・水元という工程は
外注に出すんだけど
オレはオヤジがドライクリーニングをやってるんで
蒸しも自分でやっつけるんだ。
(もともとオレの師匠とは、それが縁で
弟子になったんだけど・・・)
この蒸しをする時、温度が低いと (特に冬場)
蒸気になりきれず、途中で水分になって生地に 蒸しダレ という難が出たりするので
オレは料理屋さんで使ってる火力の強い 2連のコンロでやってるんだ。
モノによっては、巻いた 内側と外側 で蒸しの差が出たりするので
途中で 内側と外側 を逆に巻きなおして、もう一度蒸すとカンペキ!
水元
蒸しが終わったら、生地に残ってる余分な染料を
洗い落としてやる為に、 水元 という水洗の工程に入るヨ。
よくTVや本で見る 友禅流し という工程 (現在は川ではできないけど)
水をどんどん流しながら洗ってやるんだ。
いつもの 着物・帯生地 だと、幅が狭いので浴槽の中で順に送ってやればいいんだけど
(今回のは広幅の生地なんで大変だったッチ!)
ここまで来て、良く染まってないと
柄が打ち合ったり、色の淡い部分 を 濃い色 が汚染してしまったりするんだ。
最後の一番キンチョーする工程だね。
ここまで終わったら ドライクリーニング をしてロー・ゴムのりを落として出来上がり。
おっと、最後に前回の最後の生地裏からの写真のように 伸子 で生地が凸凹してるから
それを元の生地のようにまっすぐにする(幅をだす) 湯のしという工程を経て出来上がり。
(オレは、この湯のしの工程と 仮・本仕立ての工程だけ外注に出してるんだ)
まだ、ドライクリーニングや湯のし・仕立ての工程は終わってないけど
(それに2点、並行して制作してたので もう片方がまだ上がってないけど)
ひまわりさんの風呂敷 の巻はおしまい! ちゃん・ちゃん!
勿論 染に応じてイロイロな工程があるんだけど
大雑把 オレの仕事はこんな感じなんだ。 お・つ・か・れ!
後は ひまわりさん 喜んでくれっかなぁ・・・??? じゃ!
BLOG INDEX へ戻る