蝋伏せ 白蝋

蝋伏せ 白蝋  ボク(木の幹・枝の部分)を 白蝋 を使って
  “調子” で蝋伏せしてるのですが、
  ← 今回の柄は複雑に入り組んでいて 端から順に
  蝋を置いて行っても 一気に最後まで 蝋を置く事は
  出来ずに 途中で数回 “蝋伏せを継ぐ” ところを
  作らなくてはなりません。


友禅であれば、刺している染料を 乾かないように面倒を見ていれば どうにかなるのですが、蝋の場合
置いた瞬間から ドンドン固まってしまうので、どこかで巧く継がないとなりません。
“白付け”の様な場合なら 蝋を更に上に被せて “完全防染” するので 問題は無いのですが、白蝋の場合
色を蝋の上から 染みさせる事が目的なので、蝋の重なって厚くなった部分が問題となります。

蝋伏せ 白蝋  ← 画面中央の 蝋に “照り” のある部分が
  一度冷えて固まった蝋の上から 次の部分へ
  再度 蝋置きをした様子です。

  そこの 蝋の重なった部分の蝋の厚みが厚く
  他の部分に比べて “防染力” が強くなり 染料の
  色を被せた時 その部分がハッキリとしてしまいます。

上写真のようにしてしまうと 後から蝋を溶かして均すにも 少々面倒なので “線で継ぐ” という感じで・・・

例えば・・・
 1 →               2 →               3
蝋伏せ 白蝋蝋伏せ 白蝋蝋伏せ 白蝋
 4 →               5 →               6
蝋伏せ 白蝋蝋伏せ 白蝋蝋伏せ 白蝋

・・・のように仕事を進めて行くと 後から修正がしやすいです。

勿論これは “ひとつの方法” であり、他にも もっと良い方法が有るはずだと思います。
今の所 オレがやってきた中で 一番良い方法だと思ってますが、もし もっと良い方法があったり
こんな風にやったらいいんじゃない?といった事が有ったら 是非教えて下さい。

さて、線で継ぐ場合ですが

蝋伏せ 白蝋 → 蝋伏せ 白蝋
両側から 蝋が線で繋がる部分は 蝋が “ジワ~ッ” と溶けて来た部分が互いに重なるような感じです。
(巧く説明できないですが、実際にやってみて下さい。結構巧く行くと思います)

また、今回は生地を “紬” で仕事してるので
蝋伏せ 白蝋 → 蝋伏せ 白蝋
紬の 糸の太くなってる部分で (何て言うんだろ?) 継ぐっていうのも ひとつの手です。

上記の様な感じで巧い事 蝋を継ぐと ケッコーそのままで (修正しなくても) 大丈夫な時も多いです。

蝋伏せ 白蝋  ・・・が、
  ← この様に明らかに違いが分かるような場合も
  有ったりします。 (写真では2ヶ所)

  ・・・そんな時は

蝋伏せ 白蝋  ← オレは “蚊取り線香” で 継いだ部分を
  溶かして 修正してます。

  オレの師匠は こんな感じの小さい部分を溶かす時
  タバコでやってました。 (何でも利用できますね)

蝋伏せ 白蝋  2ヶ所 溶かしてやりましたが なかなかでしょ。

  ← これ位になれば 仕事を続けていっても
  それ程 気になる事は有りません。
  しかし、修正しなくても良い仕事をするのが一番です。


こんな感じで 白蝋伏せ が、やっと終った・・・           仕事はまだ続く・・・ 
ヘロヘロ・・・     その上、また風邪ひいたみたい???     調子悪りぃ~!



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2010年02月10日 Posted by染師 麗 at 00:10 │訪問着 “李朝の松”


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