黒八丈 カビ直し

秋の展示会に向けての図案を描かなければと思いながらも・・・

    あ・つ・い・・・!

頭が動かず まるで進まない・・・      と、途方にくれていたら 
自由が丘・扇屋さんより “黄八丈にカビが出ちゃったんだけど・・・” といった電話があり
“じゃ、送って下さい” と、とりあえず引き受ける事に。   (←安請け合いであった)

黒八丈 カビ直し  “ブツ” が届いてみると、以前にやった事のある黄色系の黄八丈
  では無く、 “黒八丈” と言われる黒系の黄八丈であった・・・

  ← その黄八丈にこんな感じでカビが・・・  (薄っらとポチポチ)
   それも全体的に満遍なく・・・        マジっすか・・・


暑いついでに少々解説など・・・

八丈島で織られる 縦縞や格子縞の絹織物の事を一般に “黄八丈” と言いますが、
黄色が主の “黄八丈”、 樺色が主の “鳶八丈”、 黒が主の “黒八丈” があり
それら 八丈島産の絹織物を総称して “黄八丈” と言うそうです。

さてさて、黄八丈といえば 染料 は “八丈刈安” のみで 媒染剤 の違いと思っていたら 違っておりまして

“黄八丈” は 八丈刈安 を煎じて、それを数十回染重ねて灰汁で媒染
“鳶八丈” は マダミの樹皮 を煎じて、数十回染重ねて灰汁で媒染
“黒八丈” は 椎の樹皮 を煎じ染め重ねて、沼漬けと呼ばれる泥染で媒染 (泥土は鉄分を多く含んでる)
          ・・・と言う事でした。  少々思い違いをしていた。


以前にカビが出てしまったという事で直した 黄色系の黄八丈なら 灰汁の代わりにアルミ液の中を通してやれば
かなり良くなるのでありますが、今回の黒八丈を 鉄 の媒染液の中を通してしまうと 縞として一緒に織られてる
黄色の部分も黒っぽくなってしまうので、今回は一気には出来ずに 超面倒くさい。


黒八丈 カビ直し  ← 先ずは お約束?
  カビを落としてやる為に “水元”

  水を交換しながら数回
  (思った以上に色が出た)

黒八丈 カビ直し  ← それを一度 乾燥

  着物一反なので 仙人の貧しき仕事場には
  張り切れないので “ぶっ掛け” (吊り下げ)


・・・とここまでの下処理は、水を使いながら “涼しいなぁ~” と好調だったのであるが

黒八丈 カビ直し  ← その後に “空蒸し”

  この 空蒸し で、それ程カビの状態がひどくなければ
  ほぼ元の状態に戻ったりするのですが、期待薄・・・
  (しかし、空蒸ししないよりは好い状態に)


それでなくても暑い仕事場の中、蒸しの熱気・湿気で仕事場の外にいったん非難・・・  (4~50分程度)

暑い時には頭を使って考え事は難しいですが、肉体的な “作業” をこなすのは充分出来ます。


その後 黄色系の黄八丈なら 灰汁の代わりにアルミ液に浸して媒染してやると ほぼ元の状態に戻るのですが
今回の 黒八丈を 鉄の媒染液に浸してしまうと 黄色い糸の部分も 鉄媒染 をする事となってしまい
黄色い糸が黒っぽく変色してしまうので、全体的に浸すと言う事は NG!
  (仮に全部が黒糸で織られた無地なら鉄の媒染液に浸せばOKだったんだけど)

当面の “カビ直し” 前の準備は、これで出来上がり。  浸し媒染による一気の仕事は出来ず。

・・・で、カビの部分を地味に一箇所づつ “地直し”            ・・・明日に続く


      染師 麗  INDEX へ


同じカテゴリー(仕業中)の記事画像
出来上がり
地色の難
終了
地染 ボカシ 2
地染 ボカシ 1
白付け
同じカテゴリー(仕業中)の記事
 出来上がり (2022-12-29 09:12)
 地色の難 (2022-12-14 21:21)
 終了 (2022-12-06 09:45)
 地染 ボカシ 2 (2022-12-03 09:58)
 地染 ボカシ 1 (2022-12-01 21:42)
 白付け (2022-12-01 08:26)

2010年07月22日 Posted by染師 麗 at 22:22 │仕業中


削除
黒八丈 カビ直し