福寿の袱紗 図案

昨日は 釉美屋 さんが来て、来年明けの釉美屋企画の京都展の打ち合わせ。
手持ちの着物の中から2点、新作着物1点、それと小物を出品する事となった。


  新作の着物の図案はこれから考えるとして
  小物は安全牌で行こうかと・・・
  ←こいつは以前に創った 福・寿の袱紗
  なかなか お嫁に行ってくれない仙人の作の中 での
  お嫁さん候補 上位の柄  (釉美屋さんも気に入ってくれてるし)



以前に創ったヤツより、もっと効果的に柄が出るように図案を描き直して



ここのところ 以前の図案の 焼き直し が多いけど、それはそれで頭使うし
夏の間 “完全停止” していた ドタマ のウォーミングアップには丁度いいんじゃねぇの・・・

なによりも  “創る事のできる喜び”   それが シ・レ・ウ~!

     マタオキアガル マタアルキダス マダマダ・・・・・・ 



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2008年09月11日 Posted by 染師 麗 at 10:40福寿の袱紗

福寿の袱紗 下絵写し

  袱紗の図案も出来上がって (ホントはもう出来上がってた・・・)
  先ずは 下絵写し から始める。
  オレの場合は、図案を描いた後は 先ずこの作業。
  なかなか地味な作業だけど、設計図から本番へと移る為の
  とても大切な仕事。


   どんな感じかというと・・・

  下からライトであおらなくても
  ←これ位には見える。

  図案をマジックとかで塗りつぶせば
  もっと良く見える。
  (勿論 生地の厚さにもよるけど)



  ヤッパ下からライトであおると 
  ← 一段と良く見える

  これを後から消える アイ花 といわれるヤツで
  トレースしていくんだ。 (青花ともいう)
  昔は 露草の汁で、水に濡らすと消える。
  今は 化学アイ花と呼ばれ、蒸しで消える。
  (・・・しかし絶対消えるとは限らないので注意!)

   ・・・こんな感じで作業は進む。 (オンボロエンジンから火を噴かないよう注意しながらボチボチと)


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2008年09月17日 Posted by 染師 麗 at 09:46福寿の袱紗

福寿の袱紗 糸目

  展示会の区切りが付いて、次に向かう時は
  図案を描き初めるとこ (何も無い状態) からのスタートなので
  図案のネタが思いつくまで “廃人” のような暮らしなんだけど
  釉美屋さんの京都展に出品する小物の制作のお陰で
  ウォーミングアップが、順調にいってるって感じ・・・


   ・・・現在 袱紗の 糸目 に掛かっております。

  
↑ こんな感じで仕事中                 ↑ 手元はこんな感じ

上の写真は普通のゴムのりを使ってるんだけど (糸目が白で残る) 他に色ゴムのりのヤツも作るんだ。


↑ こいつは普通のゴムのりに染料を混ぜてあって、ドライしてゴムのりを落としても糸目に色が残るんだ。
オレが師匠のところに入った頃は、染料店で売っていたのだけど
見た目の色に上がらなかったり (細いので周りの染料に影響されたりする)
トラブルがあったようで、今ではお店では売っておらず自分で作らなければならないんだ。

普通のゴムのりなら割と短時間で乾くのだけど (揮発油分が飛んで)
色ゴムはなかなか乾かず いつまでもベタベタしていて (染料とゴムのりを混ぜるオイルのせいだと思う)
手にくっついたり 他の部分に打ち合ったりするので、いくつかを並行しながらやってるんだ。


最後に 揮発地入れ をして、今回は “友禅” をやるので 地入れ をカマす。


   そんなこんなで社会復帰中・・・    チャンチャン!           じゃ!


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2008年09月18日 Posted by 染師 麗 at 22:44福寿の袱紗

福寿の袱紗 彩色

  ここのところ土・日に野暮用が続いて仕事なかなか進まず・・・

  小物は仕事に掛かれば 割と早いんだけど・・・
  この袱紗は、まだ試作品なので早くやっつけなきゃ・・・
  チョットづつ焦りながら仕事に励む仙人であった。


前回の “糸目” と今回の “彩色” をまとめて、大雑把に “友禅” というんだけど
オレは、友禅のみで仕事を上げる事は無いので それほど得意分野という事では無いんだ。
友禅を主としてやってる人達から見れば “まだまだ小僧” といった感じだと思う。   きっと。
友禅について もっと詳しく説明してくれるサイトを見つけたら また紹介します。

   ・・・てな分けで、今回は彩色。


前回の 糸目 を引いた中に 染料を 刺していくんだ。
ずっと前にも説明してるんだけど “塗る” では無く “刺し” と言うんだ。
刺青の “刺し”  オレは そう解釈している。  抜染しても、跡が残るような根性の入った “刺し”
そんな気合の入った仕事をしていきたい。    マダマダだけど、いつかきっと!


この 刺し をやる時には、裏側から火で煽ってやるんだ。 (大体今は何処でもヒーターを使ってると思う)
そうする事によって生地の裏側まで染料を引っ張ってやる事が出来て、表裏の差が少なくなるんだ。
  (水分は乾く方に寄って行くので染料が裏まで抜けるんだ)

  
 ↑ 生地の表                       ↑ 生地の裏

それに生地を暖めてやる事により 繊維の染まる部分の口が開き より有効に染められるんだ。
その上 どんどん乾くので 仕事もはかどる。  ・・・と、良い事尽くめ。


・・・が、夏季にはケッコー あ・つ・い!  (ケッコーというよりカナリかな?)
だんだんと秋の気配を感じる 今日この頃とはいえ、まだまだ あ・つ・い!
扇風機をかけ、汗を生地に垂らさないよう 気をつけながらの お仕事模様 でした。   チャンチャン!



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2008年09月23日 Posted by 染師 麗 at 21:57福寿の袱紗

福寿の袱紗 蝋伏せ

  ヤッパ 小物は仕事に掛かると どんどん進む。
        ・・・ヨシヨシ・順調・順調!

  前回までの “友禅” が終ると 
  糊伏せ (又はロー伏せ) して、地色を染めるんだ。

普通一般的には、地色が被らないように しっかり防染するんだけど
今回は “白ロー” を使って地色を染みさせるんだ。  (調子)


  白ローは融点が低いので、冬でもヒーターの中心には置かないけど
  まだまだ暑さが残るので、一番端に置いても十分溶けてる。

  ・・・というより、ここより中心に近いとこに置くと 仕事がやり辛くなる。
  (気温が高いと ローがなかなか固まらず 滲んでいってしまうんだ)



この “白ロー” を使って友禅した部分を伏せていくんだけど、その時に

 ↑ の様に ローに濃淡をつけて置いてくんだ。 
(照りのある部分がローの厚みのあるところ、照りの無い部分はローの薄いところ)
ローの厚い部分はしっかり防戦するし、薄い部分は染みていくんだ。


・・・さて、地色を染めようと思ったら染料が無い!    やっちまった・・・

泥棒を捕まえてから縄をなう ボケナス仙人であった・・・          チャンチャン!



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2008年09月24日 Posted by 染師 麗 at 22:33福寿の袱紗