雑用も終わり・・・

今年の秋の “CAPARISON” での 2度目の展示会用の小品も 仕立にお願いして、こまごまとした
イロイロな雑用 もボチボチと片付き “さて、次の作品は何を創ろう・・・?” といった日々であります。

  そんな中 小品を制作してる間に撮った写真で 技術ブログ の方へ
  “ゴムのり刺し子” “小張の裏技” といった記事をアップしました。
  興味があったら 覗いてやって下さい。

  今年は “長くて暑い夏” が終ったら、いきなり 初冬???
  秋はいったい何処に行ったんだ???  春・夏・冬 だっけ???

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2010年09月28日 Posted by 染師 麗 at 21:57お知らせ

やっと・・・

残すところ 約3週間と迫った CAPARISON での 2回目の展示会用の小品が やっと染め上がった。

小品は 沢山の種類を並行してやるので、なかなか進まないけど 上がり始めるとガシガシと上がる。
まだ これから仕立をお願いしなければならないけれど、ひとまず一区切りついて少し気が楽に・・・

  ← その中で “蝋のヒビ” を使った作品もチラホラ。
  技術ブログ の方に 既に “柔らかいヒビ” はアップ済みだけど
  カルナバワックスを使った “硬い感じのヒビ” もアップしたので
  興味があったら 是非 覗いてみて下さい。

  まだまだ やらなければならない事が山積・・・      ショエ~!

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2010年09月25日 Posted by 染師 麗 at 23:27お知らせ

先輩のアドバイス

先日 仕上がった 修羅のタペストリー で、“アイ花が残ってしまった” という記事に対して
“同業の先輩” から シレウ~! アドバイスを頂いた。   どうもありがとうございました。

  ← これがそのアイ花の残ってしまった跡。

  一応 化学アイ花は “蒸しをして消える” という事に
  なってるんだけど、たまに消えずに残ってしまう事も・・・
  そんな事で 困ってる方も居ると思うので教えて頂いた
  方法を御紹介。   パチパチパチ・・・・

“クローバー” というメイカーの “水溶性チャコペン” というのが良いそうです。
普通に使用するなら水洗・振り洗いで落ちるそうで、ドライ・温湯処理なら尚良いそうです。
強く生地に食い込むような扱いをしなければ充分使えるという事です。
クローバーというのはオレも聞いた事があるし、手芸関係のお店なら扱ってる事でしょう。

この情報を教えてくれた方は “藤森さん” といって山梨でお仕事をされてる同業の先輩です。
一年以上前に オレのブログにアクセスしてくれて、昨年のBERG展にわざわざお越し頂き
一度遊びに行かせて頂こうと思いながら日々に流されて未だ伺えず・・・  そんな経緯の方です。
氏も以前に同じ経験をされてて、そのアイ花は未だに残っているという事です。
同じ悩みを持っている方 藤森さんのアドバイスは試してみる価値  です。

(残念ながら藤森さんはHPとかブログとかやってないそうです)


たいした事の無い事を秘密にする情け無い同業者の多い中 藤森さんのような方が居てくれるのは
大変ありがたく これからの励みになります。
また、この件をアップする事を快諾して頂き 本当にありがとうございました!

他の皆さんも イロイロな情報があったら是非教えて下さい。
染の底辺を広げる為 記事に反映させて行きたいと思いますので ヨロシクお願い致します。


なんかこの一件だけでもブログをやってて良かったなぁ・・・と思える仙人であった。     チャンチャン!


そして・・・   その後 ・ その後々 ・ その後の終わり  も御覧下さい。



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2010年09月23日 Posted by 染師 麗 at 15:35お知らせ

修羅 始末記

さて、阿修羅のタペストリーが ドライから上がって 水元を終え  祝!完成。    (仕立ては未)

  ← 図案 と 染め上がり。

  今回の タペストリーの感じは 自分でも
  見当の付く 染め方だったので (仕事や配色)
  まぁ、及第点といったところでしょうか・・・

  阿修羅を “白抜き” してあるので、後ろから
  光が入ると ボチボチ面白い感じになると思う。

今回 チョット残念だったのは、阿修羅の周りの炎を最初に染めた後 表から 鉛筆あたり をしていたのが
あまり見えなくなってしまい、アイ花で起こし直したんだけど そのアイ花が残ってしまった・・・

  ← アイ花のあたりが残ってるのが分かる???

  化学アイ花は “蒸しをして消える” という事になってるんだけど
  特に 天然染料 の場合 一度染めた上に アイ花をすると 跡が
  残ってしまう事があるので 皆さん御注意下さい。


まぁ、そんなこんなを冷やかしに 上がりを観に来て下さい。     (いつ発表しようかな・・・)

お付き合い下さった皆様 ども ありがとでした。   これにて “修羅のタペストリー”   一件落着!


( '10.9.23  このアイ花残りについてのアドバイスを頂きました。  こちらを  )



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2010年09月18日 Posted by 染師 麗 at 22:44修羅 タペストリー

小品制作中・・・

  既に1ヶ月を割っている CAPARISON での展示会に向けての
  小品の制作に没頭中・・・  (なかなか進まない)

  そんな中ではありますが、また オレの技術 の方にも
  記事をアップ しましたので 良かったら覗いてみてネ!


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2010年09月18日 Posted by 染師 麗 at 07:14お知らせ

白蝋のチューニング

  ついこの間までの 30℃越えの “猛暑” が、急に “秋” になって
  涼しい日が続きますネェ・・・   風邪など引かぬよう御自愛下さい。

  その “暑い夏” 用に チューニングしていた 白蝋が 涼しくなって
  きたので、少々使い辛くなってきた。 (調子 や 起こし の仕事で)


白蝋は “融点” が低いので、他の蝋に比べ 固まるまでに時間が掛かるんだ。
だから、その季節季節に合わせて 若干 “チューニング” を変えてやる必要があります。


夏場は 周りの気温が高く 白蝋がなかなか固まらず 周りに滲んでいってしまうので
融点の高い マイクロワックスを混ぜてやって 少し早く固まるようにしてやるんだ。
冬場は その逆で 周りの気温が低く すぐに固まってしまうので ラードや天ぷら油を
混ぜて 蝋の固まる速さを遅くしてやるんだ。

特に今年の夏は気温が高く かなりマイクロワックスを入れたので、急に気温が下がって来たこの頃では
“夏チューニング” では 仕事が少々やり辛くなってきました。
まだ暑くなる日があるようなので、急にチューニングを変えないよう様子見中。

これもまた 先人から教えてもらった知恵です。      皆さんも お試しあれ!
調子が良かったら 他の人にも教えてあげてネ!       チャンチャン!


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2010年09月17日 Posted by 染師 麗 at 07:49仕業中

修羅 6

染め工程での実質的な最終作業 工程 8 へ・・・           工程表

  最後の工程 “重クロム酸カリ” を ぼかす

  ← ボカシの時の基本? 霧吹きでボカシ口に霧を吹く。
  この時 蝋の上に水滴がドンドン溜まるので、他へ流れない様に
  雑巾などで 蝋の上の水滴を時々拭いてやる。


  ← 出来るだけ細かい霧で 乾いてる部分との境を滑らかに。

  今回 炎の部分には 重クロム酸カリは染めずに地色のみに。
  (地色を“黒”に、炎の周りを少々淡く)


  ← 今回 それほど大きなモノではないので 霧吹きで
  湿った部分に “刷毛を下ろし始める” って感じで染めて行く。
  (炎の周りの湿ってる遠い部分から徐々にボカシたい辺りまで)


  ← 全体を一度染めたら 水分を補ってやる。

  刷毛で染めた方が どうしても水分が多く、乾いていく間に
  水分の多い方が 少ない方に押してくるので ボカシた両方の
  水分量を 同じ位にして置くのが肝心。

  半乾きになるまで ボカシ口の面倒をみながら・・・

  ← 乾いて 染工程 は無事終了!   お・つ・か!

  毎日暑いけど ドンドン乾くので作品制作には良いかも???


  ← 白蝋を置いてから ヘマチン → ノアールナフトール → 水
  更には 蝋の上を雑巾で拭いたりしてるので 蝋はボロボロ。

  夏なので 蝋の染料の被りも多いかと思われ 少々 し・ん・ぱ・い!


最終工程 9 へ・・・      蝋落とし(脱蝋)です。

  ← 先ずは アイロンで出来る限り 蝋をワラ半紙に吸い取る。

  全体が濃い色の場合 “新聞紙” の方が 大きくて 蝋取りの
  効率が良いのですが、今回は “白抜き” 部分があり
  下手をすると 新聞のインクが写ってしまう事があるので
  大事を取って ワラ半紙で 蝋取り。

  本来 “三度黒” は 蒸しをしないで、すぐに 水元なんだけど
  (蒸しをすると生地が硬くなったり赤っぽくなったりするので)
  今回の 最初の地色の 蒸しをしていないので 蒸しへ。

  その分 重クロム酸カリの 濃度 をやや薄めにしてあります。

  ← 蒸し・水元 と終って 後はドライを残すのみ。

  ドライ上がりまで少々時間が掛かりそうですが、上がったら
  また 報告します。    お付き合い ありがとでした!


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2010年09月06日 Posted by 染師 麗 at 23:23修羅 タペストリー

修羅 5

秋の展示会に向けての ポーチ とかの 小品の制作も始めつつ 並行して・・・

今回は 工程 6・7 に参ります。                 工程表

  ← 工程 6 の “ドライヤーあぶり”

  気温が高いので、蝋の 溶け始め が早い上、
  蝋が溶けてから なかなか固まらない。
  (いつもにも増して慎重にやってる)


 → 
 ↑ ドライヤー前                   ↑ ドライヤーであぶった後
気温が高く 蝋の溶け始めが とても早いので、“解け始めた” と思った瞬間には ドライヤーを外す。


  ← 地色を染める。  (今回は “黒” にする)

  三度黒 (現在 技術ブログに載せておりませんが少々お待ちを)
  第一段階の “ヘマチン” を染める。


  ← タペストリーなので 裏側からも 蝋を “2度置き” してるので
  (阿修羅の部分の白抜きする部分のみ) 裏側からもガシガシ
  染めてやります。  炎の部分の 白蝋起こしをした部分の裏側にも
  染料を染めてやらないと、その部分の炎の感じが出ません。
  ( ↑ 裏から見た時の場合です)


 → 
 ↑ ヘマチンを染めた直後             ↑ 染料が落ち着いてきて
引き染した直後は 蝋の上の染料が 蝋にはじかれて 粒粒になっていますが、生地が半乾きになる頃まで
蝋の上の染料を 摺り込むような感じで 面倒をみてやります。
特に 白蝋を染みさせる様な仕事の場合、第1回目の “面倒見” は とても重要です。


  ← ヘマチンが乾いて

  最初に染めた地色の 蘇芳×アルミ のアルミと 今回引いた
  ヘマチンが反応して 紫っぽい地色になりました。
  (写真の色と実際の色とはだいぶ違いますが・・・)


さて、第2ラウンドへ・・・

  ← 更にドライヤーであぶる。

  そのまま次の “鉄媒染” に移っても良いのですが
  ここで更にドライヤーで蝋を少し溶かして、染料の被る部分に
  “ほんの少しの差” をつけてやろうと考えております。

  ← その後に 鉄媒染。

  鉄媒染ではあるのですが、“黒” を染める場合
  “ノアールナフトール” という媒染剤を使います。


  元々が 染料を少し染みさせるような使い方をする
  それ程 防染力の強くない蝋 の上、ドライヤーであぶり
  2回も 引き染をしてるので、既に蝋はクタクタ!

  “被り過ぎ” が少々心配になり 蝋の上の染料を
  雑巾で拭き取ってやる。 (←吉と出るか凶と出るか?)

  ← 第2段階の ノアールナフトールが乾いて。

  当面 工程 7 までが 無事終了。
  最後の カリのボカシ を残すのみとなる。  さてさて・・・


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2010年09月05日 Posted by 染師 麗 at 22:22修羅 タペストリー

修羅 4

最初の地染をしてから 扇屋さんに引き合いに行ったり、バイト三昧で しばし休憩しとりましたが 再開。

今回は 工程の 5番目  “白蝋起こし”             工程表

  白蝋で調子を付けながら 後ろに見える部分から “起こし” て
  行きます。  (手前に見える部分ほど後からの蝋置きになります)

  ← 画面で “照り” のある部分が 蝋の厚みのある部分。
  “照りのある部分” は蝋が 厚く 染料をはじきます。
  “照りの無い部分” が蝋が 薄く 染料が少し染みていきます。

  ← 毎日の酷暑の中、蝋鍋を隣に置いての お仕事。

  汗を生地に垂らさないよう 扇風機を直当てのため体力の消耗も
  は・げ・し・い・・・  (見た目の動きは少ないけど肉体労働です)

  ← 地道に一つずつ蝋を 起こしていきます。

  夏場と冬場では部屋の温度がまるで違う為 蝋が固まる時間も
  夏と冬では違います。  同じ蝋でも 冬場は蝋がすぐに固まり
  夏場は なかなか固まらず周りに滲んで行ってしまいます。
  その為に 夏場には白蝋の中に 融点の高い “マイクロワックス”
  を混ぜて 早く固まるようにします。
  冬場は逆に ラードなどを混ぜて 蝋がユックリ固まるように
  調整してやります。  その為 夏と冬では “蝋のタッチ”が
  少々違います。  (仕事途中の感じも、上がりの感じも)

  ← そんなこんなで 本日のお仕事 無事終了!  チャンチャン!

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2010年09月04日 Posted by 染師 麗 at 22:22修羅 タペストリー

修羅 3

9月に入ったってぇのに涼しくなる気配がありませんネェ・・・       工程表

今回は “工程表” に載ってない工程の登場・・・?    (工程で言えば 4 と 5 の間)

  ← 周りの炎の部分の下染めが終ったんだけど
  炎の部分を “表鉛筆” しておいたにもかかわらず
  かなり “あたり” が、見えづらくなってしまっている。

  このまま 白蝋起こし に入ってもあたりが良く分からず
  時間ばかりが掛かってしまうので・・・

  ← 図案 と 僅かに見える鉛筆あたり を頼りに
  もう一度 アイ花で炎のあたりを起こしていく。

  (もっと濃い鉛筆でガシガシと描いておいても良かったんだ・・・)

  ← 周りの地色もボチボチと濃くなってるので
  アイ花も濃くないと良く分からない・・・
  その上 地色が赤いので眼がチカチカしてくる・・・
  思った以上に時間が掛かった鉛筆起こしでした。
  
  リスクをとるか、無難に行くか 選択にいつも迷います。

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2010年09月01日 Posted by 染師 麗 at 21:21修羅 タペストリー